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― 国の検討会が示した方向性と、運送事業者が今考えるべきこと ―

中小企業庁は、令和7年12月
「中小企業の親族内承継に関する検討会 中間とりまとめ」を公表しました。

これは、

  • 経営者の高齢化
  • 後継者不在による廃業の増加
  • 事業承継税制の今後のあり方

といった課題を整理し、
中小企業が事業を次世代につなぎ、成長につなげるための方向性を示したものです。

トラック運送業を含む中小企業にとっても、
極めて重要な内容となっています。


1.なぜ今「親族内承継」が改めて注目されているのか

近年、M&Aや従業員承継が増えている一方で、
親族内承継はいまなお約3割を占める重要な選択肢です中小企業の親族内承継に関する検討会中間とりまとめ。

しかし現実には、

  • 後継者はいるが、育成が間に合っていない
  • 税制や手続きが難しそうで踏み出せない
  • 先延ばしにしているうちに高齢化が進む

といった理由から、
黒字でも廃業に至るケースが少なくありません。

検討会では、

「事業承継は単なる後継ぎの問題ではなく、
地域経済・雇用を守るための重要課題」

と位置づけています中小企業の親族内承継に関する検討会中間とりまとめ。


2.事業承継税制は「使った企業ほど成長している」

資料によると、
事業承継税制(特例措置)を活用した企業では

  • 賃上げを実施した企業:約2/3
  • 売上高の増加・財務改善・設備投資の増加:約半数

といった前向きな効果が確認されています中小企業の親族内承継に関する検討会中間とりまとめ。

つまり、
👉 事業承継は「守り」ではなく
👉 成長と改革のチャンス

であることが、データでも示されています。


3.それでも制度が使われにくい理由

一方で、潜在的に制度を使える企業は
年間1万社以上あると推計されているのに対し、
実際の利用はその3分の1以下にとどまっています中小企業の親族内承継に関する検討会中間とりまとめ。

主な理由として挙げられているのが、

  • 要件や手続きが複雑
  • 納税猶予が将来取り消される不安
  • 後継者の経営力に不安がある

といった声です。


4.今後の制度見直しで議論されているポイント

検討会では、今後に向けて次のような方向性が示されています中小企業の親族内承継に関する検討会中間とりまとめ。

✔ 株式承継の柔軟化

  • 「2/3まで」といった画一的な上限の見直しも検討対象

✔ 猶予制度のあり方

  • 長期の納税猶予が経営判断を縛っていないか
  • 一定期間の事業継続で免除する仕組みの可能性

✔ 雇用要件の考え方

  • 単なる人数維持だけでなく
    賃上げ・省力化・DX投資なども評価対象に

✔ 後継者育成の強化

  • 承継前から「経営者目線」で学ぶ機会の拡充
  • 後継者同士の横のつながりづくり

5.運送事業者・組合員の皆さまへ

トラック運送業は、

  • 地域の物流を支え
  • 雇用を守り
  • 生活インフラを担う

地域に欠かせない産業です。

事業承継を
「いつか考える問題」ではなく、
**「経営の一部として早めに考えること」**が、
会社と従業員、そして地域を守ることにつながります。

組合としても、

  • 制度情報の提供
  • 専門家との連携
  • 後継者育成・相談の場づくり

を通じて、
円滑な事業承継を支援していきます。


【参考資料】

中小企業庁
「中小企業の親族内承継に関する検討会 中間とりまとめ」
(令和7年12月)