2025年10月29日、NEXCO三社は、高速道路のETC深夜割引の見直しに向けたシステム整備の状況について最新情報を発表しました。
今年4月に発生した広域的なETCシステム障害の影響を受け、システム整備は一時中断されていましたが、現在は再開されています。しかし、信頼性確保のための慎重な検証が必要となったため、新深夜割引の運用開始時期は、当初の予定から延期となり、「令和8年度以降」となる見込みです。
運送事業者の皆様にとって、この割引の見直しは「2024年問題」に対応し、ドライバーの長時間労働を抑制するための運行計画に直結する重要課題です。開始時期の延期は準備期間の猶予とも言えますが、同時に新しい割引の仕組みと経理処理の変更点を深く理解し、運行・経理体制を整える必要性が高まっています。
現行の深夜割引制度は、「0時から4時」の間に高速道路を通過すれば、走行距離に関わらず一律3割引が適用される仕組みでした。
新制度では、真に夜間利用を促進し、ドライバーの休憩確保に繋げることを目指し、割引の適用範囲と方法が大きく変わります。
| 項目 | 現行制度(0時〜4時の通過) | 新制度(令和8年度以降) |
| 割引の適用範囲 | 0時〜4時の通過で、全行程が割引対象 | 0時〜4時の間の走行距離のみが割引対象 |
| 割引率 | 一律3割引 | 距離に応じて割引額を算定(実質的な割引率は変動) |
| 支払い方法 | 料金所で即時割引 | 後日還元(キャッシュバック) |
運用開始が延期されたとはいえ、運送会社経営者は新制度への移行に備え、以下の対応を速やかに検討する必要があります。
新制度は「後日還元」方式となりますが、ETCコーポレートカードをご利用の場合、料金は月次の後払いであるため、以下のように処理され、実質的な資金繰りへの影響は限定的です。
重要なのは、割引が適用された根拠(0時~4時の走行距離)を明確に把握し、運行記録と請求書を照合できるように、経理と運行管理の連携を強化することです。
割引の恩恵が「0時から4時の走行距離」に依存するため、運行管理者による「走行距離の計算」がより重要になります。
今回の延期は、2025年4月に発生したETCシステム障害を踏まえ、システムの信頼性を確保するために十分な時間を確保して慎重な検証を行うためです。
新しい深夜割引制度は、ドライバーの休息時間を守りつつ、高速道路の夜間利用を促進するという点で、「2024年問題」の解決に資する制度です。
「令和8年度以降」という開始時期の最新情報を受け、経営者の皆様はこれを準備期間と捉え、運行計画を確立してください。制度の詳細や正式な開始時期は、NEXCOからの続報をお待ちください。