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令和7年10月28日、経済産業省中小企業庁と公正取引委員会事務総局は、サプライチェーン全体での「支払いの適正化」向けた重要な通知を関係事業者団体へ発出しました。

これは、物価上昇に負けない賃上げの原資を確保するため、下請事業者(運送事業者を含む)への支払いを適正化し、キャッシュフローを改善することを目的とした、極めて重要な法改正の周知です。

運送会社経営者の皆様は、この法改正を「川下(下請け)を守る法律」として積極的に活用し、資金繰りの安定と、元請け・荷主との健全な取引を実現する必要があります。

🚨最重要通知:2026年1月1日から「手形取引」が原則禁止に!

令和8年1月1日より、「下請代金支払遅延等防止法(下請法)」が改正され、新たに「中小受託取引適正化法(取適法)」に名称が変わります。

この新法が施行される令和8年1月1日以降に発注される取引について、運送会社経営者が知っておくべき最大のポイントは以下の2点です。

1.手形払いが原則禁止に

製造委託等(注1)の代金支払いにおいて、手形を交付することが禁止されます。

2.現金同等物以外の支払い手段にも制限

電子記録債権(でんさい)や一括決済方式などの現金以外の支払い手段についても、物品等の受領から起算して60日以内に定められた支払期日までに、代金の「満額(手数料等を含む)」に相当する現金を受領できない場合、その使用が禁止されます。

運送会社への影響: 運送業界でも、手形や支払サイトが長い電子記録債権等による支払いが残るケースがあります。この改正により、元請けや荷主は、原則として60日以内に現金で満額を支払う体制を構築することが求められます。これは運送会社のキャッシュフロー改善に直結します。

注1:運送業は「役務提供委託」にあたり、下請法および取適法の対象となります。)


2.法対象外の取引にも「60日以内」のルールを適用する動き

今回の通知では、さらに重要な要請が含まれています。それは、取適法(新法)の対象外となる取引についても、サプライチェーン全体での支払いの適正化に努めるよう、広く事業者に求める点です。

【最優先で実現すべきこと】

  1. サイト(支払期日)の短縮: 物品等の受領日から起算して60日以内に短縮すること。
  2. 支払手段の改善: 代金の支払いをできる限り現金によるものとすること。
  3. 長期取引における配慮: 運送契約など、発注からサービス完了までの期間が長期にわたる取引では、前払比率や期中払比率をできる限り高めるなど、支払条件の改善に努めること。

経営者が取るべき行動:

  • 既存の取引を見直す: 支払サイトが60日を超えている取引先に対し、この国の要請を根拠として、支払いサイトの短縮(現金化)を交渉しましょう。
  • 前払い・期中払いを交渉する: 特に長期の運行契約や特定事業の委託において、前払い金や中間金の支払い比率を高める交渉を行うことで、資金繰りへの影響を最小限に抑えられます。

3.法改正の狙い:「適正な価格転嫁」と「賃上げの原資」確保

今回の法改正と通知は、単なる支払い方法の変更に留まりません。

国は、サプライチェーン全体でサイトを短縮し、中小企業の資金繰りを改善することで、運送事業者が燃料費や人件費などのコストを適正に運賃・料金に転嫁できる環境を整え、最終的に物価上昇に負けない賃上げの原資を確保することを強く意図しています。

運送会社経営者の皆様は、この国の強力な後押しを背景に、取引先に対し臆することなく適正な運賃交渉と支払い条件の改善を求め、健全な経営体制の確立を目指してください。

▶️(参考) 価格交渉の方法や支援策については、以前ご紹介した中小企業庁の「賃上げ・最低賃金対応支援特設サイト」も引き続きご活用ください。