〜車輪脱落事故が多発する時期が到来!ワッシャ、サビ、増し締め…「確認不足」が事故を招く!〜
大型車の運行に携わる皆様、あるいは整備・管理を担当される皆様にとって、冬用タイヤへの交換シーズンは特に緊張感をもって迎えられる時期ではないでしょうか。
この度、大型車の車輪脱落事故が、特に冬用タイヤへの交換時期に急増する傾向を受け、国土交通省などが中心となり、「大型車の車輪脱落事故防止キャンペーン」が、令和7年10月1日から令和8年2月28日まで実施されます。
「なぜ、この時期に事故が増えるのか?」その原因は、多くの事故調査事例から明らかになっています。
令和4年2月に発足した「大型車の車輪脱落事故防止対策に係る調査・分析検討会」の中間とりまとめ(同年12月公表)やその後の調査で、以下の**「プロとして見過ごせない問題点」が確認されています。
これらの不備が、昨年も引き続き同様の事故につながっています。
| 事故原因として確認された主な問題点 | 対策として必要な確実な作業 |
| ワッシャ付きホイール・ナットの点検が不十分 | 部品の摩耗や損傷を確実にチェックする。 |
| サビ取り清掃が不十分 | ホイール・ハブの接合部やボルトのサビを徹底的に清掃し、異物を除去する。 |
| 各部位への潤滑剤の塗布が不適切 | 適切な箇所に規定量の潤滑剤を塗布し、焼き付きを防ぎ、ナットをスムーズに回せるようにする。 |
| ホイール・ナットの円滑な回り具合の確認不足 | 規定トルクで締める前の手締めの段階で、ナットがスムーズに回るか確認する。抵抗がある場合はすぐに原因を究明する。 |
| タイヤ脱着作業後の増し締めが未実施 | 走行後100km程度の増し締めを徹底する。事故の多くは脱着作業から1〜2ヶ月後に発生しており、この「増し締め忘れ」が最大の要因とされています。 |
キャンペーン期間中、関係者には特に以下の3点について、国を挙げての周知・啓発活動が展開されます。これは降雪地域に限らず、全国すべての事業者が対象です。
車輪脱落予兆検知装置」の普及促進
「大丈夫だろう」という慢心は禁物です。 確実な点検と増し締めこそが、重大事故を防ぎ、命と荷物を守るためのプロの責任です。この冬は、今一度作業手順を見直し、事故「ゼロ」を目指しましょう。
https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha09_hh_000345.html

